次元とはなにか
Contents

第1章 0次元から1次元の世界へ
 物事は“点”から始まる
 「ユークリッド幾何学」の誕生
 点や線を定義しても無意味?
 たんなる“無限”は線にならない
 1次元空間の点は常に同じ?
 ラインランドの生命体
 1次元から3次元をつくる
 COLUMN 1次元ではない線が存在する

第2章 2次元の世界
 「平行線の公準」を証明せよ
 神童が生み出した新しい幾何学体系
 ユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学へ
 「リーマン幾何学」の誕生
 2次元世界の“スクエア氏”の世界
 2次元世界を測量する
 人間の眼には2次元しか見えない
 COLUMN 中性子星の2次元的な生物

第3章 3次元の世界
 空間と物質は同じもの
 ニュートンの3次元の「絶対空間」
 宇宙の3次元空間は平坦か?
 ビッグバン宇宙論と平坦な宇宙
 宇宙は平坦なまま膨張?
 3次元空間は連続していない?
  COLUMN 3次元宇宙と正多面体

第4章 3次元から4次元時空へ

 数学者と物理学者にとっての“新しい次元”
 リーマンの“曲がった空間”の登場
 数学者と物理学者の立場の違い
 宇宙の3次元空間は平坦か?
 時間や長さが伸びたり縮んだりする宇宙
 ミンコフスキーとアインシュタインの「時空」
 余剰次元という“魔法の杖”
 はるかなる“究極の理論”に向けて
 光の進路は重力場の中では曲がる
 COLUMN リーマンのn次元の幾何学/2つの相対性理論/時間次元と空間次元はどう違うのか?

第5章 姿を現した5次元空間
 「5次元」への初めての言及
 空間の“さざ波”を予言するカルツァ=クライン理論
 “死に体”となった5次元の世界
 16次元、26次元を操る理論家
 “隠れた次元”を描きだす試み
 5次元空間と6次元空間
 余剰次元はかならず姿を現す?
 COLUMN ゲージ理論

第6章 ひも理論と多次元宇宙
 消滅したカルツァ=クライン理論、復活す
 「粒子の動物園」から「クォーク」ヘ
 ヤン=ミルズ理論に取り組んだ南部陽一郎
 「標準理論」という不完全な理論
 重力の抜け落ちた標準理論からの前進
 「真理とは美しさと単純さで認識されるもの」
 “振動するひも”と「26次元」の世界
 姿を現した“スーパーシンメトリー(超対称性)”
 ひも理論に重力を統合する
 シェルクの若すぎる死に続く者
 COLUMN 粒子加速器/「対称性」と「超対称性」

第7章 人間はブレーン宇宙の住人?

 10次元のより深い謎
 プリンストン弦楽四重奏団とカラビ=ヤウ空間
 5つのひも理論を統一する「M理論」
 あらゆる「泡宇宙」を浮かべた「多次元宇宙」
 M理論を単純化した「ブレーン宇宙論」登場す
 「重力ブレーン」と「ウィークブレーン」の間
 “KK粒子”の出現を求めて

あとがきとしての終章
 数学者と物理学者の墓碑銘
 時間の存在と非存在
 われわれはどこにいるのか?